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■日本企業はほとんど最下位。やる気のない社員は7割

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新居佳英/松林博文『組織の未来はエンゲージメントで決まる』英知出版 新居佳英さま、松林博文さま、ご恵存賜り、ありがとうございました。 2017 年のギャラップ調査で、驚くべき調査結果が出ました。日本の企業では、「やる気のない社員が 7 割もいる」というのですね。 従業員のエンゲージメント(これを日本語で「やる気」と解釈します)についての世界各国の調査ですが、「熱意あふれる社員」は、アメリカで 32% 、日本で 6% 、という結果です。日本のランキングは、 139 か国中、 132 位でした。ほとんど最下位ですね。  また、企業内に諸問題を生む「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」の割合は 24% 、「やる気のない社員」は 70% に達したと。  やる気というか、仕事への熱意度を聞かれて、「はい自分は熱意があります」と答える人はなるほど少ないと想像できますね。日本人は、幸せでも「はい自分は幸せです」とは答えないですからね。この文化的な違いを、どのように考えるかですね。  「やる気のない」という表現はちょっと違うように思いますが、熱意がなくても日本人は仕事をこなすほうでしょう。しかし会社組織にコミットメントするよりも、もっといい生き方があるのではないか、コミットメントすべき対象が他にもあるのではないか。 現代の日本人は、そういう関心を持つようになったのかもしれません。それとも私たちは、社内のコミュニケーションを増やせば、会社組織にコミットメントできるようになるのでしょうか。「熱意あふれる社員」を育てるにはどうしたらいいのか。経営学で探求すべき重要な問いなのですね。

■シュンペーターの方法論をめぐって

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只腰親和/佐々木憲介編『経済学方法論の多元性』蒼天社出版 執筆者の皆様、ご恵存賜り、ありがとうございました。  シュンペーターは、『理論経済学の本質と主要内容』と『経済発展の理論』のあいだで、自分の方法論的な立場を変更したのか、という問題があります。この問題に対するマハループの解釈は誤りである、と塩野谷祐一は指摘しましたが、けれどもその塩野谷の解釈も、誤っているというわけですね。(佐々木論文)  しかも、『経済発展の理論』の第一章と第二章以降では、やはり方法論的な視角が異なっている。第一章では、経済状態が「静態・循環」をなしている場合を想定していて、そこでシュンペーターは「相互依存関係の分析」を静学と呼び、それ以外を「動学」と呼んでいる。これは『本質』の方法論を基本的に踏襲しています。  これに対して同書の第二章以降では、経済状態が「動態・発展」をなしている場合を想定して、そこではすべての方法が「動学」とみなされる。  企業者は経済に内在しているけれども、その意味では他のプレーヤーと相互依存の関係にある。しかし、企業者の動機や制度は、「静態」の範囲の外部にある、と解釈するわけですね。何が経済の内生的要因で、何がその外生的要因であるのかは、分析の視角に依存するので、重要な点は、分析の視角を示すことにあるのでしょう。