■ブランドに代替するアマゾン
渡会圭子さま、東洋経済新報社さま、ご恵存賜り、ありがとうございました。
グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン。この四社の生態を知ることは、まさに現代社会を知るうえで重要ですね。
2006年の時価総額のトップは、エクソン・モービル、第二位はゼネラル・エレクトリック社、第三位はマイクロソフト社でした。ところが2017年の時価総額のトップ三位は、アップル、アルファベット(グーグル系)、マイクロソフト、となったわけですね。アマゾン、フェイスブック、が四位と五位に続きます。
アマゾンは、グーグルにとって、最大の顧客であると同時に、脅威の顧客でもあります。
ネットで商品を探している人の55%は、まずアマゾンで探している。グーグルで探している人は28%にとどまるのですね。
「アマゾン・ゴー」という店舗、それから、「アマゾン・プライム」、「アレクサ」、「プライム・ワードローブ・サービス」、そしてアマゾンの運輸業への参入などなど。アマゾンはいま、これまでの流通と小売と消費のあり方全体を、大きく変えていく影響力を持っていますね。
こうしたアマゾンの影響力と並行して、人々はしだいに、ブランドにこだわらなくなってきたというデータがあります。「お気に入りのブランドがある人」の割合は、2007/08年と2014/15年の比較で、減っていることが分かります。しかも、ブランドの検索数も減っている。ブランドに頼るのではなく、アマゾンに頼る、という傾向が生まれているのですね。