■研究ベースの環境市民運動に学ぶ
加藤三郎『危機の向こうの希望 「環境立国」の過去、現在、そして未来』プレジデント社
加藤三郎さま、ご恵存賜り、ありがとうございました。
これまでのご研究の集大成であります。環境問題の全体像が、まさに過去・現在・未来という時間軸で見えてきました。
本書を読んでびっくりしたのですが、加藤様は53歳のときに官僚の職を辞職されたのですね。1966年に厚生労働省に入省、1971年に新しいくできた環境庁に出向、以来、日本の公害や環境行政にかかわる重要な仕事をされてきました。
独立することを真剣に考えてから辞めるまで、1年間かかったということですが、短いように思いました。すぐに決断された印象です。
1992年には「地球サミット」があり、そこで加藤様は、日本の環境ODAを大幅増額させるという成果を上げました。その後に退職されたのですね。
当時はまだNPO法人に関する法律がない状態でした。それでもNGO『環境文明21』を、仲間の4人と立ち上げられたのですね。ときはバブル経済に陰りが見え始めたときです。
私は現在、54歳です。加藤様が53歳で新しい人生を歩み始めたことに、大いに刺激を受けました。
また、その後の加藤様のご活動で、自治体に対する働きかけとして、パンフレット『飲料自動販売機から見える環境問題』(1999)や、『食卓から考える文明ブックレット』(2001)などを刊行されてきたことにも、刺激を受けました。
市民運動として、何をすべきなのか。多くを学びました。今後とも、どうぞよろしくご指導ください。