■中国の情報戦略



永田伸吾/伊藤隆太編『インド太平洋をめぐる国際関係』芙蓉書房出版

 

伊藤隆太さま、ご恵存賜り、ありがとうございました。

 

第三章「古典的リアリズムと中国の台頭」を興味深く拝読しました。

中国はいま、軍事的なパワーを求めるよりも、マルチドメインの非軍事的バランシングをめざしているというのですね。しかし軍事的な戦略もあるので、ハイブリッドな戦略になるのだと。

例えば中国共産党は、台湾の民主化運動を弱体化させるために、2014年と2017年、「ならず者」を利用して、デモ参加者を襲撃した。

中国はまた、現在、日本の福島原発の処理水を「汚染水」と呼んで、日本の海産物の輸入を禁止しています。その際、中国中央電視台とフランス通信社が提携して、フランス通信社が中国経由の情報を流すのですね。そしてその情報を根拠にして、日本の処理水問題を告発する、というやり方をする。

さらに中国は、ジャーナリストのビザ更新を拒否する権限を用いて、情報を統制している面がある。

こうした非軍事的な軍事戦略に対して、日本はどのように対応すべきかが問題なのですね。


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