■あいまいな感じを述べることは日本特有の文化か
松浦和也編『ロボットをソーシャル化する』学芸みらい社
宇佐美誠さま、ご恵存賜り、ありがとうございました。
御論稿のなかで言及されている、ランシュタット・ワークモニター(Ranstadt Workmonitor)の2018年の第四レポートを、私もネットでみてみました。
34か国を対象として、その中に、自分の仕事に満足しているかについてのアンケート調査があります。
するとインドでは89%の人が「満足している」と答えています。アメリカでは78%の人が満足しています。ところが日本人は最下位で、42%の人しか「満足している」と答えていないのですね。
日本人はどうも、こういう質問をされると「いやそれほどでも」と謙虚な態度でもって、「まあまあ」と答える傾向にあります。あるいは「分からない」と答える人も多いですね。日本人はどうしてこんなに謙虚なのか。日本特有の、あいまいな文化が、道徳的に推奨されているからでしょうか。
あいまいな感じを述べることが美徳であるという日本人の文化は、やはり世界的にみて特殊である、ということが分かります。
今後、AIによって、生きがいを与えてくれるような仕事も、コンピューターに代替されていくのだとすれば、日本人の場合も「自分の仕事に満足している」と答える人は、ますます減るのではないかと想像します。