■未来社会を描くための方法

 


 


ジョン・アーリ『〈未来像〉の未来 未来の予測と創造の社会学』吉原直樹/高橋雅也/大塚彩美訳、作品社

 

吉原直樹さま、高橋雅也さま、大塚彩美さま、ご恵存賜り、ありがとうございました。

 

未来制作の方法とは、次のようなものです。

 

(1) 過去の未来ビジョンに学ぶ。たとえばカルダー『1984年の世界』

(2) 予期に失敗した事柄を学ぶ。たとえば超音速のコンコルド旅客機の開発。

(3) ディストピアのビジョンに学ぶ。たとえば大規模な監視が進んだ世界についてのビジョンとか。

(4) ユートピアの検討。たとえばトーマス・モアの『ユートピア』

(5) 社会科学的な推論。たとえば、ウェーバーのいう「官僚制の鉄の檻」とか。

(6) シナリオを検討する。たとえばジョナサン・ポリット『私たちが作った世界』

 

この最後のJonathon Porrittの本は翻訳されていませんが、以下のYouTubeの宣伝をみるかぎりでは、興味深いです。未来に対する想像力をかきたてます。

The World We Made: Alex McKay's Story from 2050 by Jonathon Porritt

https://www.youtube.com/watch?v=AM25WGgBiP4

 

以上の六つの方法を組み合わせて、未来を研究するということですね。本書は、社会学者アーリの遺作。未来を考えるためのさまざまな方法論が語られています。

 

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