■プラットフォーム企業は商品の価値を創造する


安藤元博『価値創造する市場 テクノロジーが紡ぐ新しい交換』勁草書房

 

安藤元博さま、ご恵存賜り、ありがとうございました。

 

 本書は「広告が価値創造の一端を担う」という考えを、オーストリア学派の理論を取り入れて論じています。オーストリア学派は、価値の創造過程を論じているわけではありません。あくまでも価値を主観的に捉える、という学派です。しかし価値を主観的に捉えることは、生産の場面で、労働者の労働が価値を生むだけでなく、流通の過程で広告業者が商品に価値を加えることを許容するでしょう。

 さて、この商品の価値という考え方を、商品のプラットフォームづくりにまで拡張すると、アマゾンやグーグルなどのプラットフォームは、商品の流通コストを引き下げているだけでなく、信頼の価値を形成している。

 商品のプラットフォーム化がすすめば、どの会社のどの商品が信頼できるか、という情報の問題に、大きな進展がみられるでしょう。本書の表3(322-323)が参考になりました。

 サプライチェーンの可視化(製造過程・流通過程)によって、同一の商品性を保障(虚偽の混合可能性の排除)することができるようになります。また、未知の取引相手(買い手)についての情報も開示されるなら、取引の信頼性は増すでしょう。例えばシェアエコノミーでは、不特定多数の参加者を排除して、商品をシェアする人たちに対する信頼を高めることができます。

 このような仕方で信頼度が高まると、商品の価値も高くなる、というわけですね。これは別の観点から見れば、流通過程は商品の価値を高めたのではなく、商品の信頼度を高めただけだ、と言われるかもしれません。けれども商品が高く売れるということは、そこに価値創造があったからであり、それは商品の価値として解釈できる、ということでしょう。

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毎日新聞のインタビュー記事につきまして、訂正します。

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