■「ハック」するとは「裏道を行く」こと
橘玲『裏道を行け ディストピア世界をHACKする』講談社新書
橘玲さま、ご恵存賜り、ありがとうございました。
ふつうに生きているだけだと、どうも生きづらい世の中になってしまった。では、どうすれば私たちは解放されるのか。解放について考えるとき、ゲーマーが使う「ハック」という言葉、つまり、既存のゲームのルールを無視して、「裏道(近道)」を行くという考え方が、人生の攻略に必要だというのですね。
このハックの処方箋として、本書は、最後にミニマリズムを奨励しています。そこで拙著『消費ミニマリズムの倫理と脱資本主義の精神』を少し取り上げていただきました。ありがとうございました。
ミニマリズム、デジタル・ミニマリズム(SNSなどを使わない生活)、ボボズ(ブルジョア・ボヘミアン)、早期退職のための資産運用、ストア哲学、ヴァーチャル世界への移行、ナッジ、富から評判原理へ。こうした最近話題になるキーワードが、人生を変えるための手がかりになるというのですね。
現代の「オルタナティブ人生」で魅力的なものは、すべてこれらに関係しています。ハックするとは、こうした魅力的なオルタナティブを生きることなのですね。本書全体に、興味深い時事ネタがたくさん仕込まれていて、とても楽しく拝読しました。