■自由民主主義にコミットできるか



田中拓道『自由民主主義とは何か』ちくま新書

 

田中拓道さま、ご恵存賜り、ありがとうございました。

 

自由民主主義は、1940-50年代に最も用いられた言葉なのですね。その理念の起源は、近代の政治思想史と同様に、ホッブズやロックに遡ることができます。

現代においては、各種の民主主義論や、グローバル正義論において、この理念が問題になります。近代政治思想史において、中道的な議論はすべて、自由民主主義の理念の下に論じられてきた、と解釈できるでしょう。

 ハーバーマスは「憲法パトリオティズム」を掲げましたが、同様に本書は、歴史的な次元で、自由と民主主義に対するパトリオティズムを掲げることができる、というのですね。これは発想として、ローティに似ています。

 自由民主主義というのは、それ自体としては、感情的・信条的にコミットメントすべき対象ではないようにみえます。しかし歴史を振り返ると、人類は自由民主主義にコミットしてきたし、私たちはいわば復古的に、自由民主主義の再生を掲げることができる。

 もっとも自由民主主義といっても、多様なので、この理念は一つのインパクトのあるイメージを提供するわけではありません。これはリベラリズムの場合も、民主主義の場合も同様です。具体的に、何をイメージしてコミットすればよいのか。

 右派は例えば、天皇制、移民問題、国旗、国歌、などの対象にコミットします。左派は、これらを批判する以外に、何を積極的に擁護してコミットするのか。国会、選挙活動、NPO活動、ということになるのかどうか。そのようなことを考えました。

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