■維新の会で自治体組織は余力を削がれた
鈴木健介/藤岡達磨編『グローバリゼーションとモビリティ』関西学院大学出版会
鈴木健介さま、ご恵存賜り、ありがとうございました。
本書は、関西学院大学の先端研究所の「グローバル化とモビリティ」研究班の成果です。さまざまな論文が掲載されています。いずれも地域に密着した内容で、レベルが高いです。
大阪府では2010年代に、橋下徹知事と大阪維新の会で、徹底的な行政改革(行政業務の効率化)を進めました。しかしそこで、自治会組織の余力を削いだため、地域社会の自律性や連携の強化は進まなかった、ということなのですね。これは自治会組織の予算構造と活動実態の問題です。同論文で、大阪市の波速区におけるさまざまな活動が紹介されています。また、コロナ禍での活動の転換についても詳しく語られています。興味深く読みました。