■カミングアウトしてもビジネス界で生きていける
松本裕さま、ご恵存賜り、ありがとうございました。
著者のジョン・ブラウンは、1948年、ドイツのハンブルク生まれ。イギリスの石油企業のCEOになり、同社を世界的な企業に育てます。けれども彼は、みずからゲイであることを公表して、2007年に同会社を退職します。その後、2015年にLIエナジー社の会長に就任します。本書は、たとえ自分がゲイであることを公表しても、財界でタフに生きていくことができるという、読者に希望を与える回顧録です。
ゲイの人と、ストレートの男性を比較すると、ゲイの人は、そうでない場合よりも給与が低い、というデータがあります。これはアメリカでの10数件の調査にすぎませんが、32%も低くなる、という分析です。
別の国での調査もあります。いろいろな数値が出ています。おそらく結婚する男性は、家庭をもつことで、生産的に仕事をすると思われているからでしょう。昇進において、職場では「既婚」であるか、また「子持ち」であるか、ということを書く場合が多いようです。
その一方で、レズビアンの場合は、ストレートの女性よりも、子どもを持つ可能性が低いため、長時間働き、高い学歴をもち、給与も高い、という結果が出ています。