■ハイカルチャーが成り立つ条件

 




 

長沢伸也/石塚千賀子/得能摩利子『究極のブランディング』中央公論社

 

石塚千賀子さま、ご恵存賜り、ありがとうございました。

 

 本書で、カプフェレ&バスティアン『ラグジュアリー戦略』(2011)の「マーケティングの逆張り戦略」が紹介されています。興味深いですね。以下に記します。

 

 「ポジショニング」のことは忘れろ。ラグジュアリーは比較級ではない。

 製品は欠点を十分に持っているか?

 顧客の要望を取り持つな。

 ブランド狂ではない奴は締め出せ。

 増える需要に応えるな。

 顧客の上に立て。

 顧客がなかなか買えないようにしろ。

 顧客を非顧客から守れ。上客を並みの客から守れ。

 広告の役割は売ることではない。

 標的にしていない人にもコミュニケーションせよ。

 実際の価格よりつねに高そうに見せるべきである。

 ラグジュアリーが価格を定める。価格はラグジュアリーを定めない。

 需要を増やすために、時間が経つにつれて価格を引き上げろ。

 製品ラインの平均価格を上げ続けろ。

 売るな。

 スターを公告から締め出せ。

 初めて買う人のために、芸術へ接近するよう努めろ。

 工場を移転するな。

 

以上の18の逆張り戦略は、思考を喚起します。ラグジュリーというよりも、ハイカルチャーが成り立つための条件であるようにも見えてきます。


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